沖縄麻酔科学情報ホーム > 教室紹介 > 教授挨拶
簡単に教室の紹介をします。昭和25年戦禍の跡いまだ癒えぬ首里城あとに琉球大学が誕生し、麻酔科学講座は、昭和59年沖縄県那覇市与儀に開講し同年に現在の西原町に移転しております。
沖縄サミットの2000年4月に初代奥田佳朗教授の後任として琉球大学に赴任し、7年経過しました。最初の頃は、教室から見える青々した海と空に挟まれた美しい慶良間諸島に感激し、週末にはいつも海沿いにドライブしていたことを思い出します。
さて、現在の教室に話を戻しますと、教室の雰囲気は明るく、活発な中、皆忙しく働いております。しかし、私の目指す教室の姿にはまだまだといったところです。
教室の基本方針は、1)痛みのない安全かつ確実な麻酔(周術期)管理の提供、2)しっかりした臨床力と人間的温かみのある麻酔科医の育成、3)国際競争力のある優れた研究基盤と研究活力の発信、4)地域医療の充実と南へ開かれた大学としての国際貢献、です。なによりも地域貢献、特に沖縄県における大学としての存在意義を第一に考え、医局員皆で話し合って運営しています。離島を含む県内のほとんどの主要病院の麻酔科に医師を派遣しております。
教室においては、できるだけ国内外の学会で演題発表を行わせ、その経費を少しでも補助するのが私の務めですが、貴重な症例はできるだけ雑誌に発表するように指導しています。それがわれわれ医師の義務であり、患者さんに対する礼儀と考えています。何か堅苦しいようですが、要は、「患者さんから学ぶ」をモットーとして、医局員が楽しく、夢を大きく抱いて、目を世界へ向けて活躍してくれることです。教室は、その一人ひとりの大きな夢を少しでも可能にしてあげることだと思っております。教室の研究、業績については、別の項目を参照してください。
最近、新臨床研修制度以後、医師不足、離島医療などいろいろな問題が紙面を賑わわしていますが、基本的には、大学におけるそれぞれの教室が、地域における大学としての役割を確実に果たし、魅力ある活力あふれる教室であれば、自ずと教室員は増え、医療レベルは向上すると考えます。
麻酔科学は、医療の基本的知識と技術の修得に最適の科です。解剖学、生理学、薬理学などを基礎に、意識、呼吸、循環、代謝など生命維持に必要な生体機能に関する幅広い知識を必要とし、それを実際の臨床を通して学び、治療に応用する過程を論理的に構築する学問です。すべての診療科の基盤となるものと考えます。将来、内科医になろうが、外科医になろうが、あるいは小児科医、産婦人科医になろうが、麻酔科学の研修は必要です。麻酔科以外の科は、患者さんに対して、数日あるいは週単位で対応していますが、麻酔科は、分あるいは秒単位で患者さんの病態変化に対応しなければなりません。毎日刻一刻と変化する患者さんの病態に接することで、医師としての的確な対応、正しい医療手技を訓練、修得することができます。医師としての適性、自分の長所、短所の認識、さらには弱点の克服ができる科です。安全な医療を修得する上で、なくてはならない科と信じています。若い先生は、臨床研修の早い時期に、麻酔科での研修を受けることを勧めます。必ず役に立ちます。麻酔科で研修していてよかったと思う時があるでしょう。そして楽しく、研修したい先生は、まず琉球大学の麻酔科へおいで下さい。みんなで歓迎します。
教授 須加原一博