1. 12月5日 島袋先生担当

12月5日 島袋先生担当

最終更新日:2017年01月04日

抄読会

Sevoflurane Versus Total Intravenous Anesthesia for Isolated Coronary Artery Bypass Surgery With Cardiopulmonary Bypass: A Randomized Trial
Likhvantsev VV, Landoni G, Levikov DI, Grebenchikov OA, Skripkin YV, Cherpakov RA.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2016 Oct;30(5):1221-7. doi: 10.1053/j.jvca.2016.02.030. Epub 2016 Mar 3.
 
【目的】過去の研究において、プロポフォールを使用した全静脈麻酔(TIVA)と比較してハロゲン化揮発性麻酔薬(セボフルランなど)を使用した心臓外科麻酔後の術後心筋バイオマーカーはより低値を示すとする報告が多数みられる。本研究においては、麻酔薬としてハロゲン化揮発性麻酔薬を選択することが、入院期間の短縮といった臨床的なアウトカムの改善に寄与するかどうかを検討することを目的とする。
【研究デザイン】ランダム化比較試験
【対象と方法】
人工心肺下冠動脈バイパス術を予定手術で受ける成人患者が研究対象となった。
プロポフォールをベースとしたTIVA群(n=431)とセボフルランによる全身麻酔群(n=437)の2群に無作為にわけ、患者の入院期間と周術期のトロポニンT、NT-ProBNP及び死亡率が評価された。
【結果】TIVA群における入院期間の中央値は14日、セボフルラン群は10日とセボフルラン群において入院期間の短縮がみられた(p値<0.001)。術後24時間のトロポニンTの値においてもセボフルラン群が有意に小かった(0.18ng/ml vs 0.57ng/ml)。術後24時間、48時間後のNT-ProBNPにおいてもセボフルラン群で有意に小さな値がみられた(633pg/ml vs 878 pg/ml at 24hours,  482pg/ml vs 1036pg/ml at 48hours)。さらに1年後の死亡率においてもセボフルラン群で有意に小さな値となることが確認された(17.8% vs 24.8%)。筆者らはさらにセボフルラン群において麻酔導入にプロポフォールを使用した群とそうでない群を比較検討し、プロポフォールを併用したセボフルラン群では有意に上記アウトカムを悪化させることを示した。
【結論】
人工心肺を用いたCABGにおいては、セボフルランの使用によって心筋保護効果がみとめられ、入院期間の短縮という臨床的アウトカムの改善をみることができた。