Organ perfusion during voluntary pulmonary hyperinflation; a magnetic resonance imaging study
Kyhl K, et al. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2016;310(3):H444-51.
<目的>
- 素潜り競技の選手が行う、glossopharyngeal insufflation(GPI)、若しくは「lung packing」は肺の過膨張(pulmonary hyperinflation)をもたらす。
- Pulmonary hyperinflationが心臓や肺の血管を圧迫し心拍出量を低下させることはよく知られているが、心筋、肺、骨格筋、肝、腎、脾への臓器灌流についてはあまり知られていない。
<方法>
- 対象:10名の有志ダイバー。(Table 1)
- MRI:1.5-Tesla、16-channel coilのMRIを用いた。organ perfusionの測定にはガドリニウム造影を使用した。
- 息止め:次の3段階で行った。
- total lung capacity(TLC)+GPIで1分間
- 安静呼気終末時(rest)
- 最大呼気終末時(Expiratory)で2分間
<結果>
- GPIでは、ほとんどの臓器の体積が減少し、灌流量が低下したが、肝灌流量のみが変化しなかった。
<結論>
- GPIを用いて肺の過膨張を行った結果、肺循環は圧迫され、心内腔容積と心1回拍出量は減少し、SVRが上昇した。
- 肝臓以外の臓器灌流量は減少したが、肝灌流量は変わらなかった。
GPIで息止めをするときに心拍出量が低下するが、肝灌流量は維持されることが示唆された。