Pain catastrophizing, activity engagement and pain willingness as predictors of the benefits of multidisciplinary cognitive behaviorally-based chronic pain treatment
Miró J, Castarlenas E, de la Vega R, et al: J Behav Med 2018 May 7.
心理社会的治療が慢性痛患者の機能や適応力を改善させるという科学的根拠が数多く示されている.痛みの破局的思考および痛みの受容は,慢性痛に対する認知行動療法(CBT)の効果と関連することが示されているが,どの要素がどのように関連しているかは明らかになっていない.さらに,集学的治療が,痛み受容の主な2つの構成要素(活動への従事および痛みへの許容的態度)にどう影響を及ぼしているかも明らかになっていない.
著者らは,慢性痛の集学的認知行動療法による痛みの破局的思考の減少および活動への従事の増加は,痛み強度,痛みによる生活障害,抑うつ症状の改善につながると仮説を立てた.この研究の目的は,慢性痛に対する集学的認知行動療法の効果の予測因子として,痛みの破局的思考,活動への従事および痛みへの許容的態度の変化の相対的重要性を調査することである.
方法:慢性痛を有する成人186名が集学的認知行動療法プログラムに参加した.痛みの破局的思考(PCS),活動への従事(AE),痛みへの許容的態度(PW),痛み強度(PI),痛みによる生活障害(PDI)および抑うつ症状(BDI)が評価された.
結果:痛みの破局的思考と活動への従事および痛みへの許容的態度は負の相関を示した(r=-0.32, r=−0.40).活動への従事と痛みへの許容的態度は,痛みによる生活障害の変化に関連した.痛みの破局的思考と活動への従事は,痛み強度の変化に関連していた.さらに,これらの結果から回帰分析を行ったところ,痛みの破局的思考のみが痛み強度の独立変数(β=0.25)で,活動への従事のみが痛みによる生活障害の独立変数(β=0.37)であった.痛みへの許容的態度は独立変数に含まれなかった.痛みの破局的思考の改善は痛み強度と抑うつ症状の改善に,活動への従事は痛みによる生活障害の改善に影響を与えていた.