臨床・教育・研究が三本柱とした琉球大学大学院医学研究科麻酔科学講座。
最終更新日:2018年03月05日
抄読会
プロカルシトニンの推移は敗血症患者の予後を予測できるのか?
Serial Procalcitonin Predicts Mortality in Severe Sepsis Patients: Results From the Multicenter Procalcitonin MOnitoring SEpsis (MOSES) Study. Schuetz P, et. al, Crit Care Med. 2017 ;45 :781-789. doi: 10.1097/CCM.0000000000002321.
<背景>
プロカルシトニンは敗血症の早期診断マーカーとして汎用されるようになっている。重症敗血症・敗血症性ショック患者において、入院4日以内のプロカルシトニン低下不良が28日死亡率に関与しているのか検討した.
<デザイン>盲検化、多施設、前向き観察研究.(FDAにより認可されたプロトコル)
<研究施設>米国、13の救急集中治療室
<患者群>集中治療室に入院した際に、重症敗血症・敗血症性ショックと診断された患者
<介入>入院後から5日間連日、プロカルシトニンを測定
<結果>研究に組み込まれた858名のうち646名の患者で検討したところ、プロカルシトニンが基準値から80%低下することと4病日/28病日の死亡率には相関があった.28日死亡率は、4病日までにプロカルシトニンが80%以上低下しなかった群で2倍高かった(20% vs 10% : p=0.001).多変量解析を行ったところプロカルシトニン低下不良は28日死亡率の独立した危険因子であった.そのハザード比は1.97(95%CI, 1.18-3.30 : p<0.009)であった.
<結論>大規模前向き多施設研究の結果から、プロカルシトニンが80%低下しない場合、それは患者予後(死亡)に関して独立した予測因子となる.