1. 10月16日 安部先生担当

10月16日 安部先生担当

最終更新日:2018年05月01日

抄読会

Smoking may increase postoperative opioid consumption in patients who underwent distal gastrectomy with gastroduodenostomy for early stomach cancer: A Retrospective Analysis
DH Kim, et al. The Clinical Journal of Pain. 2017; 33:905–911
 
はじめに
ニコチンは鎮痛効果を有し、その特性は中枢と末梢のニコチン性アセチルコリン受容体に作用すること、また内因性オピオイドによる相互作用でみられる。
喫煙者は痛み強度と慢性痛の発症頻度が高いとの報告がある。周術期においても、喫煙者に急性痛の発生頻度が高く、鎮痛薬の使用量が多い。
本研究は、喫煙者で術後オピオイドの必要量が多いかを評価するため、早期胃がん患者の腹腔鏡下幽門側胃切除、胃十二指腸吻合術を受ける患者において、後ろ向きに非喫煙者を比較対照とした術後オピオイド使用量を調査した。
 
方法
 2013年10月から2014年9月で、腹腔鏡下幽門側胃切除、胃十二指腸吻合術を受ける236名を対象に、喫煙群と非喫煙群で術後オピオイド必要量を後ろ向きに比較検討した。非喫煙群は、喫煙なし、または、総喫煙数100本以下とし、喫煙群は、総喫煙数100本以上と定義した。非喫煙群は119名、喫煙群は117名が登録された。
 
結果
 手術当日のNRSは喫煙群で有意に高かった(Fig 2)。オピオイド使用量も喫煙群で有意に高かった(Fig 3)。重回帰分析において、年齢、喫煙、レミフェンタニル量が、術後オピオイド使用量の独立した予測因子であった。
 


まとめ
 幽門側胃切除、胃十二指腸吻合をうけた喫煙者は、非喫煙者と比較して、より多くのオピオイドを必要とした。年齢、喫煙、術中のレミフェンタニル使用量が、術後のオピオイド使用量増加の独立した予測因子と考えられた。喫煙者はオピオイド使用量が多いにもかかわらず、PONVは有意に減少した。
 

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