最終更新日:2019年03月20日
抄読会
Randomised controlles trial comparing preoperative carbohydrate loading with standard fasting in paediatric anaesthesia
British Journal of Anaesthesia 2018;121(3):656-664
[背景]小児の周術期の不快感の主な原因の1つとして術前の絶食が挙げられ、PONVや術後の痛み、術後炎症反応などにも影響すると考えられている。術前の炭水化物飲料の経口摂取はこれらを軽減し、さらに口渇感、空腹、および不安を軽減する可能性がある。今回術前の炭水化物飲料の摂取が小児の胃内容物および周術期の不快感にどのように影響するかを調査した。
[方法]全身麻酔下で上部消化管内視鏡検査を受ける予定の2〜18歳の120名を無作為に、術前絶食の標準プロトコルによって管理される対照グループと、5ml/kgのレモン風味の炭水化物飲料を術前2時間前に投与された研究グループの2群に割り付けた。
主要評価項目は胃内容物の容量、pH、副次評価項目は術前の口渇感と空腹感、術後の悪心と嘔吐、周術期の不快感とした。
[結果]胃内容物は研究グループの方が少なかった[0.41(0.28%) vs 0.28(0.27), P=0.01]。また術後の嘔気も研究グループで少なかった[25 vs 10, P=0.028]。その他の評価項目に差はなかった。しかしながら、周術期の不快感を詳細に評価した結果、術前VASスコア>5点は研究グループ1人に対して、対照グループ5人であった。
大腸内視鏡検査を同時に行うために腸洗浄を受けたサブグループ(n=61)を解析したが、群間での有意差と関連していなかった。
[結論]術前炭水化物飲料摂取は小児における胃内容物と術後悪心を減らす。