教授ブログ「まなぶろぐ」

琉球大学医学部麻酔科学教室 教授:垣花 学(かきのはな まなぶ)のブログです。

ものの価値

2018-04-30

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「人の価値って何だろう?」と、ふと考えることがありました。その人の道徳観?。人間性?、学歴?、収入?、社会的地位?・・・・。もし、人間の価値を示すパラメータがあったとしたら、そのパラメータを見て「自分は価値ある人間だ。うれしい」と本人は思うのでしょうか?

 なぜこのようなことを考えたかというと、ポリクリの学生さんから「なぜ麻酔科医になったのですか?」と尋ねられたからです。このときいつも答えるの内容は「病院で麻酔科医がひとりいなくなると約500症例の手術に対応できなくなる。これは他の科の医師が変わりに出来ないことだから、麻酔科医の価値はより高いことに気がついたから。」というような内容で答えていました。そういうわけで「価値とは?」と考えることがありました。

 学歴、収入あるいは社会的地位の価値は、それぞれの比較対象より高いか低いかということがそのパラメータになります。つまりいわゆる相対的比較ですので、ナンバー1になることが究極かもしれません。道徳観や人間性などはそれにスケーリングがないので、絶対的比較の対象となります。つまり、そのパラメータはオンリー1であるかどうかだと思います。

 ちなみに、2003年にSMAPの「世界にひとつだけの花」が発売され、その中の“ナンバー1にならくてもいい、もっともっと特別なオンリー1”という歌詞が印象的ですが、私は2001年のノーベル賞を受賞した野依良治先生の受賞インタビューの記事でこのフレーズをみました。このフレーズは、そもそも京都大学の考え方のようですが・・・。

 麻酔科医個人の価値は、医療界の中でやはり“オンリー1”的なものだと思います。では、麻酔科医の集団のひとつである麻酔科学教室の価値はナンバー1でしょうかそれともオンリー1でしょうか? さらに大きなもの、たとえば病院や大学の価値はどちらでしょうか? もっと大きな視点で考えると、自治体(市町村)や国の価値はどちらで判断すべきでしょうか? その答えを出すのはなかなか難しいし、「人の価値」を決めることはさらに難しいことだと思います。

 ただ、言えることはナンバー1になることはかなり難しくこれは限られたものですが、オンリー1というのは不可能なことではありません。教授という立場ですから、教室の価値を高めるあるいは価値ある方向性に進めることは私の責務になります。では、我々はどこに進むべきなのか、やはりオンリー1を目指すべきだと思います。 その戦略についての私の考えは後日述べたいと思います。

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