教授ブログ「まなぶろぐ」

琉球大学医学部麻酔科学教室 教授:垣花 学(かきのはな まなぶ)のブログです。

オンリー1を目指して

2018-05-29

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4月30日にアップした“まなブログ”「ものの価値」の中で、琉球大学医学部麻酔科はオンリー1を目指すべきだという趣旨で述べました。2000年前後には、「琉球大学医学部麻酔科といえば・・・・」とイメージしてもらえるように、大血管手術における脊髄虚血の基礎研究、臨床研究そして症例報告を積極的に推し進めてきました。今では、脊髄虚血といえば必ずといっていいほど琉球大学医学部麻酔科という名前が出てくるまでになったと自負しています。それから18年が経過した今、地方大学医局のひとつである琉球大学医学部麻酔科が何を持ってオンリー1になれるでしょうか?
臨床、教育そして研究は、大学の責務であることは言うまでもありません。この3本柱のどれを重点とするかが、その医局の特徴になります。ちなみに、琉球大学医学部麻酔科は教育を第一とした運営を行うことにしています。医局のみならずどの組織でもオンリー1を目指すとは、「他のだれとも違う」ことを目指すことだと思います。「他の誰とも違う」というのは、「独創」とも言い換えることが出来ると思います。この中の「独」はいわゆるオンリー1に通ずるものでありますが、「創」というのは「つくりだす」という意味になります。オンリー1を目指すには、この「つくりだす」こと、いわゆる「イノベーション」が必要だと私は思います。
「イノベーション」というとハードルが高いと感じますが、例えば研究から生み出された成果は「イノベーション」の宝庫だとおもいます。もっとハードルを下げるとしたら、「日頃の不自由さ・不便さ」を探し出すことから「イノベーション」につながると考えられます。特に、我々が働いている手術室やICUには多くの「不自由・不便」があり、我々の周りには「イノベーション」の可能性があふれていると思います。例えば、ビデオ喉頭鏡であるMcGrathは、昔から変わっていない喉頭鏡のダサいデザインに築いたデザイン学校の学生が卒業作品として作り上げたものであり、これも「イノベーション」だと思います。何気ない「不自由さ・不便さ」を認識し、それを収集してその対策あるいはそれを解決できる工夫などを考え出せれば、それは「イノベーション」につながります。
また、琉球大学医学部麻酔科の実験室では、他にない研究を進めており、近いうちに特許申請につながる可能性のある研究を行っています。非常に大きな楽しみです。
これまで大学では「イノベーション」から少し離れたところに立ち位置を置いていました。しかし世界的にはアカデミアの研究と産業をつなげる産学連携が進んでおり、さらには大学発のベンチャーの起業が盛んに行われています。いま思うことは、ひとつでもいいから「イノベーション」を出したいということです。それがオンリー1になることだと思います。
 
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